老年薬学認定薬剤師制度
老年薬学認定薬剤師とは?
老年薬学認定薬剤師制度は、高齢者の薬物療法を支援する上で必要な総合的な知識と技量を有する優れた薬剤師を養成し、高齢者がより有効でかつ安全な薬物療法の恩恵を受けられるために貢献し、国民の保健・医療・福祉に寄与することを目的としています。
老年薬学認定薬剤師に求められる資質
1. 老年症候群の主要な症状(誤嚥、転倒、せん妄、認知症、排尿障害、寝たきり、褥瘡など)を有する高齢者に対し薬学的管理・指導をすることで、生活の質(Quality of Life)の改善に寄与することができる。
2. 多くの疾患を抱える高齢者に対して包括的な薬学的管理・指導ができる。
3. 薬物関連問(多剤処方、重複投薬・相互作用、薬物有害事象など)を抑制するために、処方を見直し、医師に提言することができる。
4. 高齢者施設や在宅の環境整備、感染防御、医薬品の安全管理に関わることができる。
5. 薬学的知見に基づいて、チーム医療、医療・介護・福祉の連携の中で、提案や調整などができる。
6. 高齢者に関する基礎研究、臨床研究を理解して、Evidence-Based Pharmaceutical Care に寄与することができる。
老年薬学認定薬剤師の新規申請・更新方法
(老年薬学認定薬剤師制度規則 第 3 章及び施行細則の第 3 章より一部引用)
1. 薬剤師であること(認定申請時に免許取得後 3 年以上)
2. 3 年度以上引き続いて日本老年薬学会の一般会員であること(認定申請年度はカウントに含めない)
3. 薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、 日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師または日本医療薬学会認定薬剤師であること(2024 年度の申請から施行)
4. 業務を通じて高齢者の薬物療法の有効性又は安全性に直接寄与した症例を 10 症例報告できること
5. 本学会の指定する研修などにおいて、30 単位以上取得していること(4 年度以内(認定申請年度を除く))
6. 学会の指定する実技実習などにおいて、3 項目以上受講していること(4 年度以内(認定申請年度を除く))
7. 本学会役員(理事、監事、評議員)あるいは、所属長(病院長あるいは施設長等)または保険薬局においては開設者の推薦があること
8. 認定試験を合格した者であること
メディカルナレッジ®でできること
PCやタブレット・スマートフォンでコンテンツを受講できるので、好きな場所で好きな時間に研修単位を取得できます。
本講義では、処方の見直しの事例を紹介しながら、老健での実際の活動について解説しています。
(講師の所属は、収録時の所属です)
*コンテンツ受講前に老年薬学認定薬剤師制度の取得の希望が必要です。
緩和薬物療法認定薬剤師制度
緩和薬物療法認定薬剤師とは?
緩和医療に携わる職種の方々には、その普及活動とともに臨床での患者 QOL 向上のための役割も増大しています。その中でがん治療や医療用麻薬等の適正使用支援など、緩和薬物治療における薬剤師への期待は益々高くなってきています。
このような時代の流れの中で、緩和薬物療法認定薬剤師制度は緩和医療に携わる職種の方々の緩和薬物療法に関する知識と技術の向上、並びにがん医療の均てん化に対応できる人材の育成を目的とし、日本緩和医療薬学会が認定する資格として2009年に設立しました。2023年現在772名の緩和薬物療法認定薬剤師が日々、患者治療や緩和医療の推進に力を注いでいます。
緩和薬物療法認定薬剤師の業務内容
1. オピオイド製剤を中心とする医薬品の服薬指導
2. 多職種に対しての情報提供
3. 薬剤師に対して研修やサポートの実施
4. 患者、家族に対してのケア
オピオイド製剤の適正使用の推進や副作用マネジメント、麻薬管理はもちろん、緩和医療の専門的な知識を活かしてチーム医療に貢献することや、他の薬剤師への情報提供を行うことで緩和医療のさらなる発展に貢献することも求められています。また、患者やその家族の全人的苦痛のケアも緩和医療の重要な役割の一つであり、緩和薬物療法認定薬剤師は病気に関連する課題に直面している患者とその家族を支援し、QOLの向上に導くことが求められています。緩和薬物療法認定薬剤師になるとできること
また、緩和薬物療法認定薬剤師としての実務経験があることで日本緩和医療薬学会が認定する資格の「緩和医療専門薬剤師(実務経験5年以上)」や「緩和医療暫定指導薬剤師(実務経験3年以上)」の新規申請要件を満たすことができます。
さらに、緩和薬物療法認定薬剤師の上位資格である緩和医療専門薬剤師は「平成 19 年厚生労働省告示第 108 号に基づく医療法上広告が可能な専門性に関する資格」として、2023 年 2 月 17 日付で認められ、緩和医療専門薬剤師であることを病院・診療所の街頭設置看板や新聞・雑誌など社会一般に向けて広告できるようになりました。
緩和薬物療法認定薬剤師の新規申請・更新方法
メディカルナレッジ®でできること
緩和医療薬学
改訂第2版
(講師の所属は、収録時の所属です)
*コンテンツ受講前に緩和薬物療法認定薬剤師の取得の希望が必要です。
認知症研修認定薬剤師制度
認知症研修認定薬剤師とは?
認知症研修認定薬剤師は、その専門性を生かして認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン平成27年1月27日発表)に明記された薬局、薬剤師に期待される認知症の早期発見の役割を担い、認知症の疑いのある人に早期に気づき、かかりつけ医等と連携して対応するとともに、認知症の人の状況に応じた服薬指導等を適切に行うことを推進することが求められています。
認知症の有病率は年齢とともに急峻に高まることが知られており、超高齢化社会に突入した現代の日本において、認知症の専門的知識を持つ薬剤師のニーズは急速に高まっていると考えられます。認知症研修認定薬剤師として認められることで認知症治療において他の医療従事者や患者からの信頼を高め、常に時代に即した薬学的ケアを行える薬剤師であることを示すことができます。
認知症研修認定薬剤師の認定の流れ
❶ 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること
❷ 日本薬局学会の正会員であること
❸ 薬剤師としての実務の経験を 3 年以上有すること
❺ 日本薬局学会が認定するワークショップで 6 単位有していること
❻ 認知症サポーターを取得していること
❼ 認知症の人への介入事例を 3 例以上提出すること
❽ 別途実施細則に定める認定試験に合格していること(合格認定証を添える)
❾ 薬剤師認定制度認証機構等で認められた研修認定薬剤師を取得していること
❿ 職場長(薬剤部科長あるいは薬局長等)の同意があること
⓫ 上記の認知症領域の e-ラーニング、ワークショップで単位取得開始後、4 年以内に申請すること
❶ 有効期限は 3 年とし、3 年の間に以下所定の更新プログラム合計 10 単位以上を取得すること、年に 1 単位は必ず取得することとする
❷ 更新申請時に日本薬局学会の正会員であること
❸ 更新申請の受付期間は、認定期間の期限の前後 1 ヶ月で申請をすること
❹ 更新の申請には下記資料を添付すること
① 認定更新申請書(書式は日本薬局学会ホームページよりダウンロード可能)
② 日本薬局学会正会員会員証(日本薬局学会ホームページより印刷可能)
③ 薬剤師認定制度認証機構等が認めた研修認定薬剤師証明証の写し
④ 症例報告書(介入事例)1 例
⑤ 学会抄録写し等演者・演題の確認できる資料、またはファシリテーター参加証、地域活動実施報告書
⑥ 「認知症対応力向上セミナー」伝達講習会 修了証書写し または地方自治体発行の「認知症対応力向上 研修」伝達講習会 修了証書の写し
⑦ 認知症関連の研修会参加証明書写しまたは参加費領収書写し等と聴講した内容(概要)の報告書、 「老年期認知症研究会」中央研究会または地区研究会の本会申告用参加証明書、 本制度ワークショップ修了証写し等、参加を証明する書類
⑧ 認定更新料振込明細の写し
認知症研修認定薬剤師の新規申請・更新の流れ
メディカルナレッジ®でできること
本講義では、病院で行う画像診断の他、患者様本人や医療関係者、家族でも回答が可能なJ-MCIという認知症チェックツールを解説しています。
(講師の所属は、収録時の所属です)
*コンテンツ受講前に認知症研修認定薬剤師の取得の希望が必要です。